子供達の一見些細と思われる成長には大きな感動を覚えます。跳び箱を体育で取り入れてから20年ほどになりますが、毎年子供達一人一人が何度も失敗を重ねながらも、見事に跳ぶことができるようになった様子を目にすると、毎回感動の涙が目に浮かぶものです。
先日もありました。サポートすると楽々跳んでいるので次は一人で跳んでごらんと言うと、「怖いからできない」と拒否。絶対できるからと言ってもダメ。一旦その場を離れ、隣の大きい跳び箱の練習をサポートしている時に、先ほど拒否していた子が跳び箱に向かっていって…綺麗に見事に跳んでいました。本当に自信を持てるまで、ずっとサポートしてあげるのが本来やるべきことかもしれませんが、その子にとっては、そのタイミングが良かったのだと思います。
「啐啄同時」鶏の雛が殻から外に出たいと内側から音を出すと同時に親鳥が殻をつつく。その子はそんなことを考えていたわけではありませんが、自分がその場を離れたと同時にやってみようと思ったのでしょう。
私が言った言葉を信じてくれて、さらに自分も信じたことでしょう。その出来事は長い人生のうちの本当に小さな出来事です。ですが、この小さな出来事から、次の大きなものへの第一歩が踏み出しやすくなることでしょう。
たかが跳び箱なのですが、みよし保育園から巣立っていった子供達は、みんな跳び箱のことを覚えているものです。そして、そこで頑張れたから色々なことにも挑戦できる心が備わったと言ってくれる卒園児たちも少なくありません。
跳べるようになるだけではなく、人生に必要なことも知るきっかけになります。
今回は偶然のタイミングだったと思いますが、しっかりとアンテナを張り、子供達が必要とするタイミングに必要な手助けをしていきたいものです。